退職の挨拶やスピーチについて
送別会での上司からの文例とポイントについて
ポイント:退職者への未練は押さえて、前途を祝ってあげる気持ちで明るくまとめるようにしたい。
根岸君、六年間にわたるお勤め、ご苦労様でした。
この数年、わが社の業態の変化にともない、根岸君の業務も専門のデザインの仕事から少しずつずれていくようになりました。皆さんもご存じのように、根岸君はまじめな人ですから、「このまま今の仕事を続けていけるかどうか」と、真剣に悩んだようです。そんなところに、根岸さんにふさわしいデザイン関連の働き場所が見つかり、転職を決意されたということです。ですから、今日は有能なスタッフを失う寂しさを言うよりも、明るく根岸君の将来を祝福したいと思います。
根岸君、新しい職場での健闘と成功を期待しています。がんばってください。時間ができたらいつでも遊びに来て、得意のカラオケを聞かせてください。
送別会での本人からの文例とポイントについて
ポイント:送別会のお礼→お世話になったことへのお礼とこれからの生活→結びの言葉の構成にする。
本日はお忙しいところ、わざわざ送別会まで開いていただき、お礼の言葉もありません。
このたび、どうしても田舎に帰らなければならない事情があり、退職させていただくことになりました。十年もの間、仕事の面でも、私生活の面でもいろいろと親身なご指導をいただき、心から感謝申し上げます。私にとっては貴重な、楽しい十年でした。
わがままな言い草になるかもしれませんが、私には都会生活より田舎の暮らしのほうが合っているような気がします。生来、のんびりやですから、これからは地のままに生きていこうと考えています。岐阜の山深いところですが、お近くにお越しの節は、ぜひお立ち寄りください。
会社の発展と皆様のご健康をお祈りして、お別れとお礼のごあいさつとさせていただきます。
送別会での出産退職の本人からの文例とポイントについて
ポイント:結婚や出産で退職するときは、「職場での経験を違う形で家庭でも生かしたい」とすると好印象です。
本日をもちまして、退職することになりました。引き継ぎ作業も終わり、いよいよこの日がきてしまいました。私の都合でご迷惑をおかけすることになりましたのに、皆さんからは、あたたかいお祝いや励ましの言葉をいただき、恐縮しています。ありがとうございました。
私は、今の仕事が好きで、ずっと続けたいと思っていましたが、婚約者が現在島根で勤務していることから、あきらめざるを得ませんでした。
これまで公私にわたりお世話になった皆さんとお別れするのは、とても寂しく残念な気持ちです。でも、今までこの職場で勉強したこと、経験したことは、私の心の中にしっかりと刻み込まれています。これからは、それを、新しい生活にも生かしていきたいと思っています。
いままでほんとうにありがとうございました。皆さん、お体に気をつけて、ますますご活躍ください。
転職する場合の本人からの文例について
ポイント:仮に不満があって転職する場合も「あと足で砂をかける」ような言動は厳禁です。感謝と今後につなげる言葉を忘れずに。
このたび、一身上の都合で、退社することになりました。10年という短い間でしたが、この会社には社会人の基礎から教わり、育てていただいたという感謝の念でいっぱいです。皆さんにも、たいへんお世話になりまして、ほんとうにありがとうございました。
ご存知の方も多いことでしょうからこの場で申し上げますが、来月からは、今までの仕事とはまったく畑違いの営業の仕事に身を投じることになります。
ただし、この会社や職場に不満があってのことではありません。自分の実力を試してみたいという不遜な気持ちで決意をいたしました。
会社や皆さんに対する敬意の念は、これからも変わりません。まことに勝手な言い分ではありますが、今後ともよろしくご厚誼を賜りますようお願いいたします。
今までありがとうございました。
社外への感謝のメールの文例について
拝啓
厳しい暑さが続きますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。お見舞い申しあげます。
このたび家事の都合によりまして、私は七月末日、オリエンタル製作所秘書室勤務を退きました。
在職中はいろいろとお世話になりまして、本当にありがとうございました。八年の長きにわたり勤められましたのも、ひとえに皆様方の支えがありましたおかげと感謝いたしております。また、何かと至らない点も多くございましたことと存じ、お礼とともにおわびを申しあげたく存じます。
どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。
お健やかにご発展のほどをお祈り申し上げて、ごあいさつといたします。
敬具
「短いスピーチ実例集」より
「冠婚葬祭 手紙スピーチ全書」より